フルマラソンで消費するエネルギー量は相当なもので、体重60kgの方であれば、およそ2,500kcalが消費される(必要となる)と言われています。

この2,500kcalがどれくらいなのかというと、糖分で言うと625gに相当します。糖分1g=4kcalです。

2,500kcalがマラソン完走に必要となります。

また、個人差もありますが、人間は走っていると汗をかきます。季節によっては、レース中に大量に汗をかくことも考えられます。

汗をかくと、体内の水分と塩分はどんどん失われていくのですが、どのように対処すればよいのでしょうか?

このように、マラソン競技というのは、健康状態や栄養の観点でも知識があったほうが、より有利なレース展開が可能になるのです。

今回の記事では、栄養学の観点から、レース中におけるエネルギー摂取はどのように考えればよいのかについて書いていきたいと思います。

結論からいうと、レース本番では、マルトデキストリン(糖分)とBCAAを定期的に摂取すること、水は給水ポイントで一口二口飲むことがおすすめです。

最後には、マルトデキストリンが摂取できるエネジージェルとBCAAのオススメ商品も紹介しているので、ぜひ見て下さい。

人間はガス欠になると、ハンガーノックと呼ばれる状態になる

ハンガーノックとは

人間は食事をすることで、体内にエネルギーを蓄えています。エネルギーがあるから、仕事やスポーツなどの活動ができます。

しかし、十分に食事を取らないままだとどうなるのでしょうか?

体内に蓄積されているエネルギーが、消費されて、エネルギーが不足してくると、例えばマラソンでは走っている最中に、疲れが生じたり、お腹がすくような状態になります。重度な状態になれば、手足のしびれ、身体の震え、意識障害などにつながってきます。

この症状のことをハンガーノックといいます。ガス欠ということです。

ハンガーノックは急激に起きるわけではなく、徐々に症状が出始めます。ハンガーノックが起きるのは、糖分が使われすぎてしまい、体内に備蓄されている糖分が正常範囲を下回ることで、このような症状がでるということです。

 

マラソンの勝負どころは30km過ぎてから

マラソンのレースをテレビで観ていると、30km過ぎから、徐々にペースダウンしてしまうランナーを観たこと人もいるかと思います。

これは、糖分が枯渇して、ガス欠に近づいていることが原因とも言えます。

そもそも、人間はどれくらいエネルギーを蓄積することが出来るのでしょうか?

難しい話はしたくないので、簡潔に話しをしますが、人間は肝臓と筋肉に糖分を貯めることができます。肝臓に100g、筋肉に400gの糖分が蓄えることが可能です。

合計500gは、レース中で換算すると、30kmに相当し、この体内に備蓄された糖分が枯渇することで、30km付近で立ち止まったり、疲れによるペースダウンする人が大量発生するのです。

 

糖分不足により脳に疲労がたまるため、レース中に栄養補給は必要

このように、体内の糖分が枯渇することで、血液中の糖分が低下していき、低血糖は脳疲労を引き起こす原因となるため、ガス欠状態になり、30km付近でペースダウンを余儀なくされるのです。

もちろんペースダウンを避けたいですよね。サブ4達成したいですよね。どうすればよいのでしょうか?

想像できていると思いますが、その答えはレース中に栄養補給を取ることです。糖分を摂取するということです。血液中の糖分濃度高めることで、低血糖状態を回避し、脳疲労をおこさないようにするのです。

1時間に40~50gの糖分摂取が出来るとよいです。

だからといって、糖分であれば何でも良いわけではありません。すぐに走るためのエネルギーとして、活用できるブドウ糖を摂取する必要があります。その商品については、次章で紹介します。

 

ガス欠にならない身体にするには?

これについては、別途記事にしたいと考えています。大まかな内容については以下の通りです。

  • 体内に備蓄する糖分量(グリコーゲン)を多くする=カーボローディングの最大活用化
  • レース中に消費する糖分を遅くする=脂肪を有効活用する

要は、疲れにくい身体にするために、脂肪を有効活用できるように練習を積み重ねること、カーボローディングの最大活用化を目指すということです。

乳酸の上昇を抑えることで、糖分の消費を遅くすることが出来る

さきほど、ガス欠にならない身体にするためには、レース中に消費する糖分を遅くすることが大事と言いました。なぜそのようなことが言えるのでしょうか?

ヒトは100m走のような運動強度の高いスポーツをすると、すぐに疲れてしまいます。100m走は10本も20本も出来ませんよね。その理由は、運動強度が高いため、酸素の供給量が足りなくなり乳酸が溜まっていきます。

マラソンでも後半型で走るようにしましょうと、記事にしています。

後半型にしている本当の理由は、最初にペースを飛ばしてしまうと、酸素の供給量が足りなくなり、乳酸が溜まリ安い状態で走り続けてしまうことにあります。

乳酸がたまりやすいと何が悪いかと言うと、糖分をメインを消費しやすい、要はガス欠に陥りやすい状況が出来上がってしまいます。

だから乳酸があまり溜まらないようなペースで走る必要があるのです。

BCAAを摂取すれば、乳酸の血中濃度の上昇を抑えることが出来る

BCAAはご存知でしょうか?三大栄養素であるタンパク質を最も細かく分解したアミノ酸20種類のうち、体内で合成できない必須アミノ酸9種類の中の3つのアミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンのことをBCAAとよんでいます。

BCAAを摂取したことで得られる効果は、簡単に言うと以下の3つがあります。

  • 乳酸の血中濃度の上昇を抑える
  • 糖分不足時の代替エネルギーになる
  • 疲労軽減

マラソンでハンガーノックを起こさないためには、如何に血中の乳酸値が急上昇しない範囲で走り続けることが大事なのですが、その乳酸値の上昇を抑えてくれますので、BCAAは大変便利なサプリです。

BCAAは体内の糖分が不足してくると、レース中に代替エネルギーになるのですが、それは筋肉中のタンパク質の一部がアミノ酸に分解されて使用されてしまうので、筋肉が損傷しやすい状態にあります。

 

レース中の水分摂取は多すぎても少なすぎてもダメ

たくさん汗をかいても、水を飲みすぎる必要はない

マラソンのような高強度のスポーツをすると必ず汗をかきます。水分と塩分が体内から出ていきます。

脱水症状が気になりますよね。脱水症状は走っている最中に少し喉が乾いたなと感じた時点では、軽度の脱水症状とも言われています。脱水症状になると、血液中の粘性が高まり、走るために必要な酸素や栄養素が思い通りに体内を循環できなくなってしまいます。

それでも何故、水を飲みすぎる必要はないのでしょうか?

水を飲みすぎると低ナトリウム血症になってしまうかもしれない

過去に起きたマラソンレース中の事故で、低ナトリウム血症によって、女性ランナーが死亡してしまいました。

低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が低下し、体内のナトリウム量と比べて水分量が多すぎることで発生すると言われています。

症状としては、倦怠感や頭痛、吐き気などが初期症状があり、重度になると痙攣や意識障害があります。先程紹介したハンガーノックと同じような症状です。

4時間以上掛かるランナーで痩せ型の人の方が低ナトリウム血症になる確率はたかいようです。

レース中の水分補給は、給水ポイントで一口二口程度飲めば良い

飲みすぎると低ナトリウム血症になるし、飲まないと脱水症状になるし、結局どうすればよいのでしょうか?

その答えは、個人によって汗のかきやすい人、暑さに弱い人など、様々なひとがいるので、個人差がだいぶあるのですが、私個人としては、5kmごとに給水ポイントが設置されているので、そこで一口か二口を飲む程度良いと思います。

暑いからと言って1杯飲み干すようなことはしなくて大丈夫です。暑い場合は首元に掛けるなどして体温調整してください。飲みすぎると、井の中で溜まってしまい、走りにくくなります。

冬場のマラソンでは、そこまで汗をかかないので、もしかすると水分をあまり取らなくてもよいかもしれませんので、普段の練習で自分がどれくらい汗をかくのかを見ながら、色々と試してみるとよいでしょう。

 

糖分摂取におすすめ商品

レース中に摂取する糖分は、すぐに走るためのエネルギーになるような糖分を摂取しなければなりません。バナナやおにぎりなどを食べても、エネルギーになるのは、数時間後ですので、あまり意味はありません。

我々はサブ4を目指しているのですから、すぐに馬力となる糖分が必要です。そのような商品は、エナジージェルとして販売されています。

私がホノルルマラソンで走った時は、日本でエナジージェルを購入して現地まで持っていきました。

検索すると色々なランキングが出てくると思いますが、検索時によく見るべき点は以下のとおりです。

  1. エナジージェルで、糖分が40~50g補給できるか?
  2. 飲みやすさ
  3. 価格
  4. 持ち運びやすさ

エナジージェルで、糖分が40~50g補給できるか?

エナジージェルはAmazonでもスポーツ用品店でも購入することが可能です。

よく注意しておきたいのは、裏面の成分表示です。糖分(炭水化物)1gは4kcalですので、覚えておきましょう。

炭水化物には、様々な種類が存在していますが、エネルギーになる即効性の高い炭水化物はマルトデキストリンと呼ばれるものです。

商品の中には、炭水化物が50gと書いてあるものの、マルトデキストリン自体は30gというものもあります。他の20gが何かは記載されていませんが、レース中に必要となるマルトデキストリンではないので、レース中にその20gは使用されないということになります。

よって、炭水化物含有量の表記だけ見てもダメですし、カロリー数だけ見てもダメです。マルトデキストリン量がどれくらい含まれているのか確認するようにしましょう。

有名どころの製品を見ると、1本あたり、20~30gの糖分が摂取可能でした。よって、ハンガーノック対策としては、1時間おきに2本ずつ摂取したほうがよいですね。

飲みやすさ

良さそうな商品を見つけたら、事前に試食しておくことをオススメします。

なぜなら、このような商品はドロドロとしたものが多いです。はちみつをもっとドロドロとさせたような、水飴のような粘度があります。

走っている最中に飲むのですから、パッケージの開けやすさ、飲みやすさ、美味しさ、水も合わせて飲み必要があるか、等を事前に確認しておくことが大事です。

価格

1本あたり200~400円します。ちょっと高いですよね。試飲もしたほうがよいですし。

レース本番では、糖分摂取を適切に取るために8本程度必要になりますので、それなりにお金がかかります。

持ち運びやすさ

書くまでのことではないかもしれませんが、本気で糖分摂取を考えている人であれば、8本程度用意すると思います。すると、ポーチが嵩張ります。重みによる振動も気になります。

ここは個人差がでるので、大きさも検討しておいたほうが良いかもしれません。実際の練習で、揺れ具合にも慣れておいたほうが良いでしょう。

おすすめ商品

SHOTZ

私がオススメしたいのは、SHOTZです。糖分はマルトデキストリンであり、すぐにエネルギーに変換されます。

この商品は非常にドロドロとしているのですが、個人的にはドロドロのものであっても飲みにくさを感じないタイプなので、問題なかったです。一気に飲み込んだほうが、口の中はすっきりとします。

その代わり味を気になるのですが、レモンライムは美味しかったです。

BCAAでもEAAでもレモンライム系の味付けが好きなので、このレモンライムも同じような味付けでしたので、普通に美味しく飲めます。

1本あたり30g取れます。

ピットイン エネジージェル

もうひとつのオススメはピットインエネジージェルです。マルトデキストリンが42gもあります。ただし、SHOTZと同じ用にドロドロとしていて飲みにくいので、味付け含め、飲みやすさは確認してみて下さい。

ピットインエネジージェルが飲むことができれば、持っていく本数も抑えられますので、おすすめです。

パッケージには水に溶かして飲むようにと記載されていますが、給水ポイントで溶かしていると時間がかかってしまうので、一気に飲み込む訓練をしておくべきです。

この商品にはカフェインが含まれていますので、カフェインに敏感な方は飲まないように気をつけて下さい。

 

BCAA摂取におすすめ商品

レース中の摂取として考えると、あらかじめ小分けになっていることが大前提です。

BCAAで飲みにくい製品はあまりありません。顆粒状のものがよいです。

糖分摂取できる商品の中には、BCAAが含まれているものもありますが、一緒のタイプよりかは、別々で摂取したほうがよいでしょう。

BCAAを摂取するタイミング

マラソンレース開始の30分前に飲むことをオススメします。その後は10kmごとに摂取すればよいです。

摂取量は2g以上を10kmごとに摂取しましょう。

おすすめ商品

おいしいアミノ酸 BCAAスティックパウダー

まず1つ目のオススメ商品は、グリコが販売しているおいしいアミノ酸 BCAAスティックパウダーです。

こちらは小分けになっていて、味を気にしない方であればレース本番にはうってつけです。BCAAは4g摂取でき、他の製品よりも多く含まれています。

Xtend BCAA

2つ目は、サイベーション社が販売しているXtend BCAAです。レモンライム味もしくはマンゴー味がおすすめです。

正直、高いですし、大容量です。サブ4達成したら、もう運動しないという方であればオススメしません。

レース中に飲むことを考えると、小分けにする準備もしなければならないですし、面倒ですよね。

しかし、なぜ私がおすすめするかと言うと、Xtendは圧倒的に美味しいです。飲みやすく、粉末も溶けやすいです。

日常の練習や筋トレガチ勢であれば、必ず必要になるBCAAなので、長期的な目線で考えるのであれば、BCAAはおすすめです。

 

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